2022年1月1日
明けましておめでとうございます。2022年、天文宇宙の変化に思いを馳せてみましょう。
この一年で…
・地球の1日の長さは、月との相互作用により、この一年でだいたい0.00002秒ほど長くなりそうです(19世紀と20世紀との比較より)。
・北極星は、地球の首振り運動で、この一年で天の北極に0.24度くらい近づきそうです(北極星も動いています、ドラえもんが生まれる22世紀初頭に天の北極にもっとも近づきます)。
・ハレー彗星は、今年は太陽に対して秒速約0.9kmで移動していて、この一年で約600万kmほど遠ざかりそうです(次に地球から明るく見えるのは2061年頃)。
・うしかい座の1等星アークトゥルスは、地球に対して秒速125kmほどで移動していて、この一年で40億km(太陽-地球間距離の約27倍)くらい移動します。
・太陽系は、天の川銀河中心に対して秒速240kmほどで回転していて、この一年で76億km(太陽-地球間距離の約50倍)くらい移動します。
・太陽系の属する天の川銀河は、アンドロメダ銀河に対して秒速110kmで接近していて、この一年で35億kmくらい接近します(約40億年後に衝突して、やがてひとつの銀河になります)。
・私たちは、悠久なる宇宙を時々のんびり見上げながら、この一年で1歳年をとります。
こんな時代ですから、どんなに楽しそうにしている人でも、それぞれに大変なこと、辛いことを抱えて生きています。
もう本当にどうしようもない時は、夜空をゆっくり見上げてみて下さい。
人の世は移ろい変わっていきます。けれど、どんなときも星は夜空にあって輝き、私たちを照らしてくれています。
これはロマンチックな意味ではなく、ただただ純然たる事実なのですが… その事実に心の底から救われることが確かにあるのです。
みなさまにとって、2022年がすばらしい1年となりますように。
南阿蘇ルナ天文台・オーベルジュ「森のアトリエ」
支配人