2023年1月30日
この「星見ヶ原だより」では毎回、南阿蘇ルナ天文台の星空体験ツアーの大人気である原っぱ「星見ヶ原」にて、焚き火を囲んだりしながら星空の下でお客様と星のコンシェルジュが体験したほっこりとしたお話をご紹介してゆきます。
どうぞゆっくりとお付き合いください。
昨夜、雪の野原になり、気温も氷点を大きく下回った星見ヶ原は、天気予報を裏切って素晴らしい星空となり、澄みきった冬空には月も掛かっていました。
今夜、たったお一人の若い女性のお客さま。関東から来られて、直前予約で大分と迷いましたが、ここに来て良かったと喜ばれていました。
3歳のお子さんをインドア派の夫に任せての一人旅。「とても理解のある夫です、今ごろは息子と電車の模型で遊んでいるでしょう。」
きっと夫婦仲も良いのですね。
小さな時からの都会暮らし、大人になって自然体験をしたくなったとか。
全国に仕事で出張に行く機会も増え、高知の仁淀川では、夏でも寒いキャニオニングのツアーで、高い所から滝壺に飛び込まされて泳いだのが、忘れられない体験だそうです。
そこで私も、なるほど自然体験といえば、乗馬やトレッキング、パラグライダーとか、アクティブな印象がありますね、とお話をしました。
でも一方では、パッシブに何もせずに自然を体感するのも、とてもいいんですよ、と。
星を見るという体験は,もともと水や空気のように身の回りにある自然環境、つまりこの世界にあらためて気がつくこと。
この風もない雪の野原のしんとした静けさや寒さ、焚き火の音や暖かさに身を任せること、でしょうか。
「そういえば、仁淀川でも水の流れに逆らわずに浮いていろ、と言われたことを思い出しました。動くと沈むよ、って。」
「今日は、ここに来てとてもラッキーでした。雪の中で寝袋にくるまって星を見上げたり、焚き火でお話ししたり、こんな体験が出来るとは、思いもしませんでした。」
そんな問わず語りの、貸切の一夜でした。
(by TM)