音楽

第169回ディナーコンサート★『ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン!!』【ラスカーラ木管アンサンブル】& 連載:西洋音楽史と音楽家たち 第9回「マルティン・ルターとドイツ・コラール」

2017年5月14日

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169thコンサート表
169thコンサート裏
 
森のアトリエ 第169回ディナーコンサート
「ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン!!」
5月14日(日) 18:00開演 演奏:ラスカーラ木管アンサンブル

 
ラスカーラ木管アンサンブル
フルート 山口邦子
オーボエ 石田栄理子
クラリネット 浦本由美子
ホルン 中村枝里香
ファゴット 濱本芳香
 
【プログラム】
 
♪1. J.ハイドン作曲 ディベルティメント
  第1楽章
  第4楽章
♪2. モーツァルトで楽器紹介
♪3. W.A.モーツァルト作曲 メヌエット
♪4. L.v.ベートーヴェン作曲 木管五重奏曲
  第1楽章
  第2楽章
  第3楽章
  第4楽章
 
 
次回、5/21(日)は山岸さん&安武さんのフルートデュオのコンサートです!
 
当館のコンサートに難しい知識やクラシックの経験は必要ありません。はじめての方にこそお楽しみ頂きたい、心と体で感じるディナーコンサート、ぜひお越し下さい^^♪
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連載:西洋音楽史と音楽家たち
第9回「マルティン・ルターとドイツ・コラール」

 
ドイツの宗教改革者でプロテスタントの祖として知られるマルティン・ルター(1483年11月10日 – 1546年2月18日)は、ドイツのザクセン地方に生まれました。当初大学に学びましたが、後に聖アウグスチノ修道会に入り、聖職者の道に進み司祭となります。また神学の博士号を得、ヴィッテンベルク大学で教えていましたが、神を理性で捉える事はできない事に悩みます。そして、人間を正しい道に導くのは、人が善行を積むことによってではなく、ただ神の恵みによってである事に気づき、神への深い信仰によってのみ人は救われるという「信仰義認」の啓示を得たのです。また伝説や迷信などに拠ることなく、神の教え・言葉は「聖書のみ」である事、また祭司という特別な職のみが神との仲立ちとなるのではなく、人はみな神の下では平等であるという「万人司祭」の考えに至るのです。こうした三大原理と呼ばれる考えに基づいて、ルターはローマ・カトリックに対して、批判を強めていきます。
 
当時、マインツ大司教アルブレヒトがローマ教皇レオ10世の許可の下に発効した贖宥状(免罪符)が、多くの人の求めるところとなっていましたが、1517年10月31日にマルティン・ルターは、神の許しを金で買えるのかという95ヶ条の論題を、ヴィッテンベルグの教会に掲示し、瞬く間にドイツ中にこの知らせが広まったのです。これが一般には宗教改革、プロテスタント(新教)の始まりとされています。
これに対し、教皇レオ10世と神聖ローマ皇帝カール5世はルターを破門し、国外追放に処しました。この時、ルターはザクセン選帝侯フリードリヒに庇護されて、あの歌合戦の伝説で有名なヴァルトブルグ城にかくまわれました。そしてその間に、新約聖書を民衆も読めるようにと、ラテン語やギリシア語ではないドイツ語訳を完成させますが、これが後のドイツ語の発展に大きな影響を与えることになりました。
 
さて、ルターの教えの中で、音楽はとりわけ重要な位置を占めていました。「音楽は神が与 えられた最も美しく、また栄光を現わす贈物である。」と言うルターは、聖書を自分たちの言葉であるドイツ語で読めるようにするだけではなく、教会音楽もラテン語で聖歌隊が歌うのではなく、会衆の誰もが礼拝に参加し歌う事ができるようにと、ドイツ語の讃美歌であるドイツ・コラールを作りました。その中には、親しみやすいようにとドイツ民謡やカトリックの讃美歌のドイツ語替え歌もありましたが、もともとルター自身には類まれな音楽の才能が有り、少年のころから素晴らしい美声を持ち、リュートやフルートの演奏にも長けた音楽家であったと言われており、ルター自身の作詞作曲によるコラールが何曲も作られています。同時代のドイツの高名なマイスタージンガーであるハンス・ザックスも、ルターを讃えています。
 
こうして敬虔な宗教的情熱によって始まった新しい讃美歌は、最新技術の印刷機によって歌本が作られ、急速に広がっていきました。この教会音楽の新しい潮流は、その後のドイツ音楽の基盤となります。後に、ザクセン地方のライプツイッヒで教会付きの音楽家として活躍したJ.S.バッハは、多くのコラールやオルガン曲の傑作を生みだして音楽の父と呼ばれ、クラシック音楽の黄金時代が花開いていきます。さらに、時代に超えてアメリカ新大陸ではゴスペルを生み出し、ジャズやロックなど、今日の音楽の源泉ともなったのです。
 
 
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